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「インターフェースデザインの心理学」021-025

インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針

インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針

前回の続き

021: 情報を覚えておくには使うことが必要

記憶したことを短期記憶から長期記憶に移動させる基本的な方法は二つ。反復するか、既知の事柄に結びつけるか。

反復による脳の変化

脳の中には情報を保持するニューロンが100億個。電気信号はニューロンの間を流れ、神経伝達物質によって隣のニューロンとの間のシナプス間隙を伝わり、その痕跡を形成する。 記憶はニューロンの結合パターンとして保持されるが、その結合を繰り返すほど痕跡がはっきりするため、最初の刺激だけで残りの項目を思い出しやすくなる。

繰り返すことで脳の構造が変化する。新たな経験で新たな回路が生成され、何かに対する考えや、思い出す情報も永久に変化する。

スキーマの力

新しい情報が既に記憶されている情報と結びつけば、長期記憶に入れることが容易となり、取り出しも容易となる。

スキーマとは関係を表現する枠組みのことで、スキーマは、長期記憶の内部でこの結びつきを構築する助けとなる。

エキスパートは情報をスキーマに保存する

何かに熟練すると、対象に関するスキーマはよりいっそう有機的で強力なものになる。初心者のうちは、小さなスキーマをたくさん学習する必要があるが、熟練するに従って、それらをより大きなスキーマにまとめられるようになり、記憶の取り出しが高速かつ容易で、新しい情報を長期記憶に保存しやすくなる。

ポイント

  • ユーザーに何かを覚えて欲しければ、「習うより慣れろ」で何度も繰り返してもらう
  • ユーザーに対してリサーチを行う目的の一つは「対象の集団がもつスキーマを見つけ出して理解する」こと
  • 提供する情報に関連するスキーマをユーザーが既に持っているのが明らかならば、そのスキーマを忘れずに提示すること。既存のスキーマに情報を結びつけられれば、その情報を記憶することが容易になる

022: 情報は思い出すより認識するほうが簡単

単語のリストを記憶し、あとでその単語を書き出すようなテスト法を想起課題と呼ぶび、 あとで別の単語のリストをみせたり、実際のオフィスに連れて行ってどの事物がリストにあったかを尋ねるようなテスト法を認識課題と呼ぶ。

一般に、想起より認識のほうが簡単である。

元のリストには存在しないのに、スキーマに含まれる単語を間違えて答えることを「包含エラー」という。

5歳未満の幼児だと、スキーマを活用する能力があまり発達していないため、この包含エラーが大人より少なくなる

ポイント

  • 記憶への負担は可能な限り減らす。UIガイドラインや、標準コンポーネントなどは、人間の記憶力にまつわる負荷を軽くするように時間をかけて改良されたものが多い
  • ユーザーが何かを想起しなければならないインターフェースは避ける

023: 記憶は知的資源を大量に消費する

人は毎秒400億個の感覚入力を受け取り、どの瞬間でも40個を意識しているが、これは一度に4つ以上のことを同時に扱い、記憶できるということではない。全ての情報を意識することと、処理することは異なる。

何かの発表を聞いた時、内容の最後のほうは思い出せるのが普通。これを「親近性効果」と呼ぶ。 また、発表の途中にメールの確認等で一時的に内容を聞いていない場合、最初のほうを覚えていて最後のほうを覚えていないことが多い。これを「接尾効果」と呼ぶ。

  • 具体的なものの単語のほうが、抽象的な単語より長期記憶として覚えやすい
  • 悲しい時には悲しいことが記憶に残りやすい
  • 3歳以前のことはあまり思い出せない
  • 言葉よりも目で見たもの(視覚的記憶)のほうが思い出すのが容易

動物は、眠って夢を見ているあいだに、起きている時に経験したことを再加工し、整理・統合している。何を覚え、何を忘れるか、脳は眠っている間に決めている。

音韻符号化も情報の保持に有効。韻を踏んだ詩(韻文)は、一行を思い出すと、次の行が自然と浮かんでくる。

ポイント

  • 具体的な言葉や絵を使うと記憶しやすい
  • 情報を覚えて欲しいなら、相手を休ませる(可能なら眠らせる)
  • 人が情報を覚えようとしたり符号化しようとしていたら邪魔をしない
  • 発表の中間部で示された情報は、記憶されている可能性がもっとも低くなる

024: 記憶は思い出すたびに再構築される

記憶はニューロンの結びつきなので、思い出すたびに活性化され再構築されてる。

質問の単語を選ぶことで、回答を誘導することもできる。

目を閉じると記憶がより鮮明で正確になる。

記憶は消去できる。

ポイント

  • ある製品についてのテストやアンケートを行う場合、質問の内容によって相手の記憶が大きく変化する可能性がある
  • 過去の行動に関する自己申告を信用してはいけない。人は、自分や他人の行動を正確には記憶していない
  • 誰かが過去の行動を思い出しながら言ったことは、少し割り引いて聞くこと

025: 忘れるのはよいこと

忘れることは欠陥ではない。膨大な感覚入力や経験を全て記憶していたのでは、まともに機能できない。

記憶の劣化の式

R = e ^ (-t / S)
Rは記憶量、Sは記憶の相対強度、tは時間

時間が経つにつれ忘れやすくなる(最初は急激に、だんだんゆっくりと)

これをグラフにした時に描かれる線を忘却曲線と呼び、長期記憶に記憶されていない情報を忘れる早さを示している。

ポイント

  • 忘れるのが人
  • 何を忘れるのかは無意識に決まる
  • ユーザーが忘れることを前提にする。本当に重要な情報は、デザインの中に含めるか、容易に見つけられるようにしておくこと

読みながら書き出すとだらだらと長くなりますが、一旦トピックを読み終わってからならいい感じに要約できますね。 人間は忘れる方が良いこともたくさんあるということでしょうか?

次回へ続く