「インターフェースデザインの心理学」067-071
インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針
- 作者: Susan Weinschenk,武舎広幸,武舎るみ,阿部和也
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2012/07/14
- メディア: 大型本
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067: 嘘の度合いは伝達手段によって変わる
ポイント
- 人が嘘をつくことが多いのは、電話 > メール > 手書き
- 手書きよりメールの方が他者を否定的に見る傾向が大きい
- アンケート調査やフィードバックを得るときには、電話を使うと手書きやメールよりも正確ではないかもしれない点を認識しておく。最も正確なのは対面による聞き取り調査
068: 話し手の脳と聞き手の脳は同期する
聞き手の脳の反応パターンは、話し手のものと同調し、 同調の程度が大きい程、内容の理解も深い。
これはミラーニューロンの働きによるものとされている。
ポイント
- 人の話しを聞いているときには、その話しの理解をたすけるように脳の同期が起きる
- 音やビデオで人の話しを聞かせるのは、聞き手に内容を理解してもらうのに効果的
069: 脳は親しい人には特別な反応を示す
親しい人のことに関する質問を受けると、社会的行動を司る内側前頭前皮質(MPFC)が活性化するが、 趣味や興味で共通点があるだけでは、MPFCは活性化しない。
ポイント
- ソーシャルメディアは、近しい人の間をとりもつものと、未知の人との新たな関係を創り出すものを見分けることが大切
- 人は親戚や友人には特別な注意を払うように「プログラムされて」いる。こうした人とやりとりをするメディアはチェック回数が多い
070: 笑いは絆を生む
全ての人間が笑う。一人より他人と一緒のときの方がよく笑う。話し手は聞き手の倍笑い、女性は男性の倍以上笑う。しかし、地位が高くなる程笑わなくなる。
くすぐられて発する笑いと、楽しくて発する笑いは異なるものとして認識されるらしい。
ポイント
- リアルタイムに笑いを伝えられるようなものであれば、ネットでも今まで以上に絆を強くできる
- 人を笑わせるのにユーモアや冗談は必ずしも必要ではない
- 笑いは伝染する。相手に笑って欲しければ自分がまず笑うこと
071: 笑顔の真偽は動画のほうが判別しやすい
笑顔を作る筋肉には、大頬骨筋(口の両脇をあげる筋肉)と、眼輪筋(ほほをあげて目尻にしわを寄せる筋肉)の二種類ある。両方の筋肉を動かす笑顔こそが本物で、意図的に作ることはできないと言われて来たが、最近の研究ではそうでもないことがわかった。
ポイント
- 動画は作り笑いがばれやすい
- 笑顔が本物かどうかは、幸福感や楽しい気持ちと反するものを見つければ判別できる
- 笑顔が本物だと思えるときには、見る人の心をとらえ、信頼関係が生じる
7章が終了。 手書きよりメール、メールより電話で嘘が増えるというのは、証拠が残りにくいと思っているからでしょうか?
しかしミラーニューロンの働きはおもしろいですね。ミラーニューロンの存在する前頭前皮質は比較的新しい脳なので、動物の本能とはまた違う形での、生き残る確率を高めるための機能なのでしょうか。 感情も先天的にある程度プログラムされたものと考えると、うまく気持ちを切り替えたりするのも楽になるかもしれませんね。