「インターフェースデザインの心理学」078-084
インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針
- 作者: Susan Weinschenk,武舎広幸,武舎るみ,阿部和也
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2012/07/14
- メディア: 大型本
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078: 牧歌的な風景を見ると幸せな気分になる
丘があって木があって湖や川があって道があって、鳥や動物、花が描かれているような牧歌的な風景は、人にとても好まれる。
水と食料、外敵から身を隠す木や草などの存在によって安心できるからという、生存・進化に適したものに対して安心や美を感じるようになってきたと考えられている。
また、牧歌的な風景は、注意力を復活させる効果があるらしい。
ポイント
- 人は牧歌的な風景を好むため、ユーザーはそれに惹かれ幸福感も増すが、実際に窓の外の自然を眺めたり、そうした場所を歩くほどの効果はない
079: 人はまず「見た目」と「感じ」で信用するか否かを決める
人の幸福感ともっとも相関が高いのは信頼である。
ポイント
- 人は「信用できない」という判断を素早く下す。まずそれらを排除し、残ったものに対して信用してよいかを深く検討しはじめる
- 最初の「信用拒否」でふるい落とされないためのデザインが極めて大切となる
080: 大好きな音楽でドーパミンが放出
好きな音楽を聴いていると神経伝達物質のドーパミンが放出される場合がある。
ポイント
- 感動したり愉快になったりする音楽は人それぞれ
- 好きな音楽を聴いているときと考えているときとで活性化する脳の領域や神経伝達物質は異なる
081: 達成が難しいことほど愛着を感じる
認知的不協和
難しいことを達成してみたが、それによって得られたものが大したことはない時に不協和が生じる。 そのため、苦労した分価値があると思いこむようになることがある。
ポイント
- コミュニティに加入するための手続きを少し複雑にしてみると、加入後にメンバーが感じる愛着が強くなるかもしれない
082: 将来の出来事に対する自分の反応を大げさに予測する傾向
人は、良い出来事があったときはその気分がずっと続くと思い、悪い出来事があったときは落ち込みがずっと続くと思う傾向がある。
ポイント
- ユーザーから「○○してくれたら嬉しい」とか「xxになったら使わない」と言われても鵜呑みにしてはいけない
- 好みの違いはあるが、ユーザーの反応は、本人が思っているほど強いものではない
083: 出来事の最中よりその前後の方が前向き
旅行の前と最中と後では、最中より前後の方が楽しいと感じられることが多い
- 長期記憶に影響するのは、休暇の最初や途中よりも「締めくくり」
- 善し悪しに関わらず、強烈な体験や至高の体験をすると、その旅行は楽しい思い出として記憶に残りやすい
ポイント
- なにかのイベントなどの計画をたてるためのインターフェースをデザインするときは、計画を練るのに要する時間を長くするほどユーザーが楽しめるかもしれない
- サイトや製品の満足度を評価してもらう場合、使用中よりも2〜3日後の方が好意的な結果を得やすい
084: 悲しみや不安を感じているときは馴染みのものがありがたい
悲しみや不安を感じているときは、古い脳(生存本能)や中脳(感情を司る)が自己防衛のために警戒態勢にはいる。こういった状態の時には、安全を確保するために、新しいものではなく馴染みのものを選ぶ傾向が強くなる。
ポイント
- 「ブランド」は安心感を与える近道となる
- ブランドイメージが確立している場合は恐れや喪失感を伝えるメッセージを、確立していない場合は楽しさや幸福感を伝えるメッセージを利用すると説得力が増す可能性がある
「難しいものに価値のあるとは限らない」というのは、自分でも思い当たることがあります。 後になって、なんであんなに熱中して時間やお金を使っていたのかと不思議におもったり。 そういう時は、「認知的不協和を和らげるための思い込みなんだ」と唱えることで、冷静に価値を判断できるようになる…のかな?
これで8章も終わり。残り40ページほどとなってきました。GW中に読み終われるかな?