「インターフェースデザインの心理学」050-055
インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針
- 作者: Susan Weinschenk,武舎広幸,武舎るみ,阿部和也
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2012/07/14
- メディア: 大型本
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6章 人はどうすればヤル気になるのか
050: 目標に近づく程「ヤル気」がでる
目標に近づくほど行動が早くなるのが目標勾配効果。
目標が達成されるとヤル気は急速に落ち込む。これが報酬後初期化。
ポイント
- 目標勾配効果によって、達成を目前にする程その気持ちが強くなる
- 目標に近づいた幻想を与えるだけでも効果がある
- ポイントを貯め始めると、人はそれを楽しむようになる
- 報酬後初期化により、第二段階の報酬に向けて努力する気力は起こりにくくなる
- 報酬を獲得した直後は顧客が離れて行く危険性が最も高い
051: 報酬に変化があるほうが強力
オペラント条件付け
報酬の頻度と与え方が、行動の頻度にどう影響するか
固定の間隔 < 変動の間隔(平均は一定と一緒) < 固定の比率 < 変動の比率 と、後になるほど行動が増える
ポイント
- オペラント条件付けが機能するためには、報酬が魅力的なものでなければならない
- ユーザーに求めるパターンに併せて強化スケジュールを組み立てること。反復を最大限に引き出すなら変動比率を用いる
052: ドーパミンが情報探索中毒を招く
人間の脳には、欲求系(ドーパミンシステム)と快感系(オピオイドシステム)がある。 ドーパミンがかき立てる探究心のおかげで、様々な欲求が生まれ、行動ができる。 そして満足した時に行動を停止する。
ポイント
- 人は情報を探索し続けようとする
- 情報を見つけやすくすればするほど、ユーザーは情報探索にのめりこむ
053: 人は予測ができないと探索を続ける
メールやツイッターなどは変動比率スケジュールで、いつ届くのか正確に予測が不可能なため、嵌りやすくなる。
有名なパブロフの条件反射もドーパミンシステム。
短くて頻繁にやってくるツイッターのメッセージは、ドーパミンシステムに対する刺激には理想的。 そして探索しやすいメールやツイッターなどのおかげで、ますます探索の要求が高まりループする。
ポイント
- 音などの通知と情報の到着を結合させると探索要求が増強される
- 最初に情報を少しあたえ、さらに情報を得るための手段を提供すると探索行動が増加する
- 情報の到着が予測不可能なほど、人はその探索にのめりこむ
054: 「内的報酬」のほうが「外的報酬」よりもヤル気がでる
前もって報酬が説明されている場合、されていないものよりも行動頻度が下がる。
近代までは課題を達成するために一定の手続きにしたがうアルゴリズム的な仕事が多かったが、現代は試行錯誤・発見的な仕事に変わって来ている。後者では外的報酬よりも達成感などの内的報酬の方がヤル気を引き出せる。
ポイント
- 外的報酬がもっとも優れていると考えてはいけない
- 内的報酬があればそちらを優先する
- 外的報酬の場合、予期しない物のほうが効果的
055: 進歩や熟達によりヤル気が出る
何かを習得したいという気持ちがヤル気に繋がるため、小さくても進歩の証を示すと効果がある。
ポイント
- リピーターを増やすのであれば、単に報酬が得られるような仕組みではなく、本能的にやりたいと思うような、人と人をつなげる、なにかを習得するといったものを用意する必要がある
- 退屈な作業の場合、好きなやり方を許容するとヤル気が削がれにくくなる
- ユーザーに対しては、進捗を常に提示すること
1個買ったら1ポイント、10ポイントで1個無料で最初から貯め直しとするより、11ポイントで1個無料で交換時にも1ポイントあげるようにした方が途切れなくていいのかも? 1割程度利益の大きなものなら、2ポイント付与といった変動比率的なものも取り入れるとさらに良しなのでしょうか?