「インターフェースデザインの心理学」036-039

インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針

前回の続き

036: 時間は相対的である

目に錯覚があるように、時間感覚にも錯覚がある。

メンタルな処理の量が多いほど、より多くの時間が経過したと感じる。

時間に追われているときには、立ち止まって他人を助けたりしない。

ポイント

• プログレスバーを表示して、ユーザーが作業時間を把握できるようにする
• 可能なら作業に必要な時間を均一にして、ユーザーが処理時間の目安を見積もれるようにする
• 作業を何ステップかにわけて、１ステップあたりのユーザーが考える時間を短くする

037: クリエイティブになるための４つの方法

創造性には、熟考的か自然発生的かと、認知的か感情的かの2x2の４つのタイプがある

	認知的	感情的
熟考的	地道な検証の成果	癒し効果や閃き
自然発生的	観測データの無意識での整理	芸術家

熟考的で認知的な創造性

特定のテーマについてある程度の知識を既にもっている必要がある。これらの情報を今までにない斬新な方法でまとめる。

熟考的で感情的な創造性

知識やスキルとは直接関係はないが、なにかを考えているときに別の事がひらめいたりする。

自然発生的で認知的な創造性

経験的な知識をもとにして、前頭前皮質が無意識下で処理を行って思いつく。

自然発生的で感情的な創造性

扁桃体で生じる。扁桃体は基本的な感情が処理される領域で、意識と前頭前皮質が休んでいるときに生まれる 、この種の想像力は、優れた芸術家などがもつものである。

行き詰まったら眠る

レム睡眠を伴う仮眠のあとは、創造性や問題解決の能力が高くなる

ポイント

• 創造性には４つのタイプがある
• 熟考的で認知的な創造性には、高いレベルの知識と長い時間が必要。必要な情報を得られる場所と機会、問題に取り組むための十分な時間を与えること
• 熟考的で感情的な創造性には、静かな時間が必要。 物事の本質を見抜くために、静かな空間と時間を与えること
• 自然発生的で認知的な創造性には、いったんその問題から離れる必要がある。十分なデータを提示したのち、気分転換を与えること
• 自然発生的で感情的な創造性には、天賦の才が必要。素質のある人を雇いましょう
• 自分自身に対しても、これらのルールは当てはまる。行き詰まったらとりあえず寝てからもう一度考る

038: 人はフロー状態に入る

何かの作業に没頭すると、人は「フロー状態(忘我の境地)」に入る。

フロー状態に入るには、達成可能だと感じる具体的で明確な目的を持ち、自らの行動をコントロールでき、脅威等を感じないリラックスした状態で、定期的なフィードバックが得られることが必要。

フロー状態では、時間の進み方が人によって速かったり遅かったりと、通常とは時間感覚が変化する。また、フロー状態では喜びを感じる。

ポイント

• 作業中の行動を本人にコントロールさせる
• 難しい作業は何段階かに分け、困難だが不可能ではないと感じさせること
• 絶えずフィードバックを与える
• 気を散らすものを排除する

039: 文化は考え方に影響する

東洋人は人間関係を重視し、西洋人は個人主義的であるため、東洋人に写真を見せると状況や背景に注目し、西洋人は前景の中心的なものや目立つものに注目する

ポイント

• 地域や文化が異なると、写真やデザインに対して異なる反応をすることがある
• 世界各国で使われる製品のデザインに関するユーザー調査は、複数の地域で行うこと
• 被験者が偏った調査結果の一般化は避ける

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ちょうど章が終わったのでここで切ります。 そういえば、この本の翻訳をされた方が、続きというか実際のデザインに関する本を翻訳されています。本日発売なので、とりあえずポチっときました。

インタフェースデザインの実践教室 ―優れたユーザビリティを実現するアイデアとテクニック

次回へ続く