「インターフェースデザインの心理学」031-035
インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針
- 作者: Susan Weinschenk,武舎広幸,武舎るみ,阿部和也
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2012/07/14
- メディア: 大型本
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031: 人はシステムを使うときにメンタルモデルを作る
人は、初めて使うシステムでも、これまでの経験や想定などから「メンタルモデル」を作り、 それを基に利用する。
メンタルモデル
ある物事の仕組みを、その人がどう理解しているのかを表現したもの。 その人の過去の経験や直感によって影響されるため、人によって異なるものとなる。
構築されたメンタルモデルを基に予測を行うが、体験した結果、メンタルモデルは変化する。
ポイント
- 人はメンタルモデルを持っている
- 過去の経験に基づくため人によってメンタルモデルは異なる
- ユーザーや顧客を調査すると、対象者のメンタルモデルを理解できるようになる
032: 人は概念モデルとやり取りをする
ユーザーがシステムに対して心の中でどう思っているかをあらわす「メンタルモデル」に対し、 実際にデザインやインターフェースに接することによって構築するモデルを「概念モデル」と呼ぶ。
ポイント
- 目標を設定して概念モデルを設計すること。すぐにできるものを作ってそこから膨らませるのは避ける
- システムの概念モデルを、できるだけユーザーのメンタルモデルと一致させると使いやすいシステムになる
- 全く新しいシステムなら、メンタルモデルの構築の手助けをするイメージビデオで、ユーザーをトレーニングするのも効果的
033: 人は物語を使って情報をうまく処理する
人は、物語に興味を示す。
場面設定、登場人物、状況の説明から始まり、途中の障害や対立を克服し、結末へと至るような流れを用いて、興味を抱かせる。
人は物事に因果関係をあてはめたがる。因果関係のない文章は理解されにくいとともに、因果関係があると思い込まれたりもする。物語を利用すると、状況説明から結末までの「因果関係の飛躍」を簡単に起こせる。
ポイント
- 物語は人の情報処理に適した形式
- 因果関係の飛躍を起こすには物語を使う
- 物語で情報に彩りを添える
034: 人は例を使ってうまく学ぶ
ポイント
- 文章だけでシステムの使い方を説明するのは大変。図を使った例を用意すること
- 図だけでなく、動画で説明するとさらに効果的
035: 人は分類せずに居られない
人は物事を分類するのが本能的に好き。ただし、7歳くらいまでの子どもは分類にあまり興味がない。
ポイント
- 人は物事を分類する
- 未分類の大量の情報を前にすると、人は自発的に整理しようとする
- 分類してわかりやすく情報を整理すること。短期記憶はせいぜい4項目というルールも忘れずに
- 自分ではなく他人が分類したものでも内容が整理されていれば容易に受け入れられる。カテゴリの命名方法も重要
- 7歳くらいまでの子どもを対象としたシステムの場合、直接の意味はないが、そばにいる大人のために分類する
ひさしぶりに続きを読みました。 CSのナショジオで記憶に関する番組を見たのですが、この本に載っていることと同じようなことが出て来ていました。結局人って見たいようにしか見ないから、どうやって錯覚させて誘導するかってのが大事なんですね。